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【2004 11月号 No.69】
 魚、C&R…釣りから学ぶ、自然の大切さ 「阿寒川アウトドア・フェスティバル 」に参加して

報告 伊藤利浩 


 道東トラウトフィールドの拠点・阿寒を舞台に今年も行われた「阿寒川アウトドア・フェスティバル 」。メインイベントでもある、子供たちを対象にしたLF&FFスクールに、スタッフの一員として初めて参加し、釣りを通して自然と親しむ大切さを改めて実感した。

  阿寒の森のC&R区間

 阿寒湖を水源とし、豊富な水量と良好な水質で道東を縦断する阿寒川。過去にはアメマスやサクラマスが上流域まで溯上した。しかし、途中に多くの堰堤が作られた現在では、そうした溯上魚たちが川を行き来する姿を見る機会は少なくなった。加えて、釣り人の増加という昨今の渓流釣り事情に反映されて、流域にいまだ手つかずの自然が残るこの川も、渓魚の減少という現実に直面している。
 そんな阿寒川での自然再生産を促すべく、地元のボランティアが中心となって組織する「阿寒プロジェクト(代表・関向 強氏)」が漁協と協議を重ね、2003年度よりC&R区間の設立を行った。魚へのダメージを最小限に抑えるバーブレス・シングル&1フックのルール化を行うことでより適切なリリースの徹底を図り、イベントを含めた放流会なども実施してきた。 
 そうした彼らの努力の甲斐もあり、ここ数年、阿寒川にようやく魚が残るような環境ができつつある(詳細は本誌 No.57「全国C&R区間探訪」を参照)。

  子供たちのルアー&フライ教室

 去る8月8日(日)、そんな阿寒の自然を舞台に、ボランティアメンバーが中心となり、今年も「阿寒川アウトドア・フェスティバル」が開催された。そして、ミノーのシングルフック化を推奨するドリーム・ウイル社、プロスタッフの矢野眞弘氏、北海道在住の春日和年氏、日野 彰氏、私の4名がスタッフの一員として参加した。
 このイベントは、小学生を対象としたルアー&フライ(以下LF&FF)スクールや、ミニゲーム、そして放流会など内容は盛りだくさん。当日は朝から気温27℃と、この時期の阿寒では珍しいほどの猛暑にもかかわらず、たくさんの親子連れで賑わった。
 はじめに、子供たちが楽しみにしていたLF&FFスクールが開かれた。LFについては我々が、そしてFFの講師は、ダイワ・フレッシュアングラーの飯田真也氏が務め、LF&FFのキャスティングの基礎、そしてマナーはもちろんのこと、釣った魚を優しくリリースする方法まで丁寧な指導が行われた。
 LFスクールでは、開催者側が用意した真白のスプーンに、参加した子供たちが思い思い自由なカラーリングを施し、自分だけのオリジナルルアーを作ってみることに。子供たちはマジックを片手に真剣な表情で作業をしていた。塗り終わったルアーには、スタッフの手によってシングルのバーブレスフックが装着され、さらに安全に楽しく釣りをするためにと、子供たち全員にライフベストを着用してもらい、いよいよ実技講習となった。
 子供が生徒だけに、騒いだり話を聞かなかったり収拾がつかなくなるのでは? と思われたが、昨年に続いて参加した”釣る気満々“の子供から、初参加で緊張気味な面持ちの子供まで、皆真剣に、そして素直に講師の話を聞く姿に、ただただ感心させられた。
 キャスティング練習では、キャストを繰り返していくうちにコツを掴んできたようだ。さらに、実際に魚をキャッチできるようになり、子供たちに笑顔があふれ出すと、見ている私たちまで嬉しくなってくる。
 昼近くになると気温も30℃を超えた。みんな顔を汗いっぱいにしながら、ほとんど全員の子供が魚をキャッチできたところで、約3時間のLF&FFスクールは無事終了した。

  豊かな自然を後世に伝えるために……

 フェスティバルも後半に差し掛かり、阿寒川周辺に咲く花や木、そして昆虫などを探すゲームを楽しんだ後で放流会が行なわれた。「大きくなれ」との願いを込めて、参加した子供たち全員の手によって、20センチほどのレインボートラウトが川へ放された。
 C&R区間の有効性を後世に繋ぐことを目的とし、あえて子供たちだけを対象にした本フェスティバルの成功に、大満足の一日であった。
 今回初めてイベントに参加してみて、たくさんのことを学べた気がする。子供たちには、楽しかった今回の思い出を次の世代へ伝えくれることを願いたい。そうすれば、たくさんの渓魚たちが泳ぐ、阿寒川の豊かな流れを取り戻すことができる、と私は信じている。  
  


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